<体験談 やすさん 04>「お前の身に何があるって言うの?」

私とともに動けるきちんとしたアシスタントが欲しい、情報共有をして欲しいと訴えたにも関わらず、また大量の業務を一人でこなす日々が続きました。取材撮影はすべて私が回り、ある日は軽井沢、またある日は勝浦へと飛び回り、休日出勤もありました。

一方当時の体制や、組織作りに私は大きな不満と不安を抱えていました。たとえば一つのプロジェクトが立ち上がったとき、その業務の仕事量に関係なくとりあえず一人で担当するというやり方が横行していました。

(私が一人で担当したプロジェクトも同じように始まりましたが、そのプロジェクトを引き継ぐ際には社員4人が受けることに。当時の業務量を一人で行うには無理があったと考えざるを得ない対応だと思います。)

また、このプロジェクトで私は雑誌の製作を担当していたましたが、ほかに社内で同じプロジェクトのWEBサイトなども製作しており、日ごろから情報の共有が重要でした。しかし流産後、私だけが同僚たちとは別の部署(上司Aのいる部署)に異動させられ、プロジェクト内の情報共有がしにくくなってしまいました。

上司Aがこれからこのプロジェクトに加入することを見越しての異動だというのですが、いつ加入するのかもはっきりしておらず、私は困惑していました。

しかし一方でやりがいもありました。一緒に取材や撮影に周る協力会社さんは優秀でいい人たちばかりで、その人たちとの仕事はとても楽しいものでした。次第にお互いの技術や人となりも分かるようになり、だんだんと信頼関係も構築できていたと思います。

その甲斐もあり、次の号の雑誌は問題なく完成し納品できました。年末、年始と時間が過ぎ、この後の春号から、徐々に上司Aがプロジェクトに加わってくれるということも決定しました。

「ああ。良かった。」と私は思いました。これでやっと一人で抱えていた大量の業務を分担してもらえると思ったのです。

しかしそうはいきませんでした。上司Aが加わっても、結局業務の分担はほとんどさせてもらえず、相変わらず私は真冬の寒空の下を取材撮影に飛び回る毎日。以前と変わらず、休日出勤もありました。ある日のこと、私はまた上司に業務の分担と情報の共有をしてくれるようお願いをしました。

私:「私が一人で仕事を回している状態だと、万が一のことがあったら困るので、業務の分担と情報の共有をさせてください!私と一緒に動ける、きちんとしたアシスタントを入れてください!」
上司A:「お前の身に何があるって言うの?周りが不安になるから、そんなこと言うな。業務の分担って言ったって、お前一人で回せてるじゃないか。できてるじゃないか。」

相変わらず返ってくるのは、こんな言葉ばかり、取り合ってもらえません。

この会話をした翌日、私の2度目の妊娠が分かりました。何と言って報告をしたらいいのでしょうか?私は頭を抱えてしまいました。

(つづく)

ペンネーム:やすさん
対処方法:社内相談窓口の利用 労働局雇用均等室への相談 弁護士への相談・依頼 労働審判