6月24日(土)に行われたトークイベント「マタハラの原点!長時間労働とジェンダー問題を考える」にご参加いただいた石島聡子様より感想をいただきましたので、ご紹介します。


イベントに参加して思うこと

――自身のマタハラ経験を振り返り、未来を考える――

マタハラNet発足の前後で受けていた“マタハラ”

私は長きにわたりマタハラを受けた経験者であり、二児の母親です。今回のイベントに参加し、改めて、私自身の事件解決の背景にマタハラNetの影響を実感せずにはいられませんでした。

私がマタハラを受けたのは2011年第一子妊娠、2014年第二子育休明け目前のときで、どちらも同じ化粧品日用品の業界新聞社でのことです。最終的には労働審判となり、解決したのは2016年のこと。この期間はマタハラNet発足前後にあたり、わずか数年間で社会の風は変わってきたと感じています。


第一子、第二子、どちらもジェンダー問題が根底に

2011年第一子の際には、妊娠超初期に当時の社長に報告すると「リタイアしたらどうだ」などの退職勧奨や、雇用形態を正社員から契約社員に変える話をされました。

2014年第二子の際には、育休明け目前に突然、当時の社長、支社長、一般社員ら3人から一緒になって「会社の終業時間を1時間30分延長(17:00から18:30に延長)する。同意できなければ会社を辞めて」という主旨の話で退職勧奨をされました。私が、保育園の迎えに間に合わず仕事と育児の両立ができないことを説明しても、同意できない私の職場復帰は頑なに拒まれるばかり。復帰や未払い賃金を求める話し合いは、遅々として進みませんでした。

私の受けたマタハラも、根底にあったのは、正に今回のイベントのテーマである「ジェンダー問題と長時間労働」です。


数年で変わってきた社会の問題意識

第二子の際のマタハラ以降は、マタハラNetが活動し始めた頃にあたります。

会社の腰はとてもとても重くて進展はなかなか見られませんでした。しかしその一方で、私を取り巻く周囲の反応は早かったです。「マタハラ」という言葉の浸透で問題の深刻さがすぐに伝わり、私への心強い応援や共感があったのです。最終的には2016年に労働審判にかけることになり、その結果、裁判官からも「会社にはマタハラがあった」という言葉があり、客観的にも会社がマタハラをしていたことが認められました。会社は、裁判官が提示した以上の解決金を支払うことにもなりました。

私の事件は、マタハラNet発足とともに広まった「マタハラ」という言葉の浸透、社会に拡散した問題意識、法制度の変化等に後押しされるように、ゆっくりではありますが一歩一歩、解決に向けて進むことができたのです

イベントではマタハラNet活動の経緯や法制度の変遷なども解説されたので、自身のマタハラ事件の経緯と、同時期のマタハラNetの活動を時系列で重ね合わせ、関連性を改めて噛みしめていました。


課題は多い。しかし、希望はある

イベントでは、「働く環境はもっと変えられる」という希望を随所に発見しました。

河村のり子さんが、予てから長時間労働のあり方に疑問を感じマタハラNetに対して期待していた思い、圷由美子弁護士やマタハラNetの皆さんの熱心な取り組み、渥美由喜さんの考える経営者側から見るマタハラ問題解決のポイントなどに触れることができました。質疑応答では、年齢層や生活環境の垣根などなく、大切な人や将来を思って現状をなんとかしたいと願う頼もしい声も、複数あがりました。

働き方を変えていくには、まだ課題山積です。ですが、様々な人が、それぞれの立場から、それぞれにできる範囲で、社会に何かしらの風を吹かせようとしている姿勢を知り、“刺激”と“希望”を得られました。マタハラの経験者としても、一人の親・社会人としても、いろいろと考えることが多く、とても充実した有意義な時間を過ごすことができました。

イベント関係者の皆さま、貴重な機会をどうもありがとうございました。

(マタハラ経験者 石島聡子)