男女雇用機会均等法第9条第3項は、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いを禁止しています。(詳しい説明はこちら) 妊娠・出産、育児休業等を「契機として」不利益取扱いを行った場合は、原則として妊娠・出産、育児休業等を不当扱いの「理由として」いるとみなされ、法律違反となると最高裁も判断しています(詳しい説明はこちら)。
マタハラNetでは、均等法や名誉・人格権等を害する不法行為(民法709条)、判例などをもとに、違法性が明確なマタハラを”ブラックマタハラ”、直ちに違法とは言えないが問題視すべきものを”グレーマタハラ”と定義しています。
マタハラNetに寄せられた被害報告の中から主な事例をマタハラの4つの類型ごとにまとめています。これらをご覧いただくだけでも、妊娠した女性が置かれている今の日本の実態が把握できると思います。
※より具体的な事例は、マタハラ体験談に団体のコメントと共に掲載しています。
ブラックマタハラ事例
①家庭を優先すべきという、『昭和の価値観押しつけ型』
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②当事者を攻撃する『いじめ型』
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③組織として、長時間労働を強いる等の『パワハラ型』
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④組織として当事者を排除する等の『追い出し型』
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グレーマタハラ事例
直ちに違法とは言えなくとも、これらの事例も大問題です。
「今は仕事を優先して妊娠しない方が君のキャリアのためだよ」
「転勤中は妊娠しないようにした方がいいよ。戻って来れなくなるよ」
→自己決定権の侵害
「男女平等の時代。産んだ産まないは関係ない。要は仕事ができるかできないか」
→育児のための権利行使を認めさせないというプレッシャー
「妊娠は辛いでしょ。休んだら」「仕事はしなくていいよ。体調優先でいいから」
「お子さん、まだ小さいんでしょ?残業して放っておくなんて、子どもが可愛そうじゃない?」
→間違った配慮…ぶらさがり社員を作る可能性あり
「妊娠は病気じゃない」「妊娠しても他の社員と同じように働いてもらう」
→体調不良の報告を躊躇させる。我慢を強いる。
「休めていいなぁ」「長期休み、うらやましい」「私も休みたいな」
→出産・育児への理解不足…男性の育休取得UPを!
「休んでるのに給料もらえていいなぁ」「給料泥棒だ」
→制度・法律への理解不足、制度を利用しない同僚にも知識を!
「同時に育休を取らないように、女性社員同士で産む順番を決めてね」
「入社して5年は妊娠なんてしない方がいいよ」
→妊娠はコントロールできるものという誤解。
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